10/26/02

Reasonの音についての考え方

最近,3rd project氏とReasonの音についてメールで雑談していました.
Reasonに問題がないわけではないけど,基本的に音は良い.
良い音が鳴らないのは使い方の方が問題なのではないだろうか・・・・

Reasonはさまざまなシンセサイザー・サンプラーとエフェクトを自由にルーティングして曲を完成させるという画期的な仮想音楽スタジオですが,ちまたでは,その発する音の問題などがいろいろと話題にもなっています.そのひとつはサンプラでの大元のサンプルの音質の問題であったり,Rexプレイヤーでのもとのループファイルの問題であったり,サブトラクターの発する音の幅の問題だったりするわけです.

しかし,しっかりエフェクト等を駆使して音作りをすればそれなりに良い音がします.サンプルの波形レベルでサンプラが変な出力をしているわけではないし(きちんと忠実にプレイバックしています:多くの人が実験しているようです),ハイビットサンプルも使用できるサンプラに問題はありません.

では,どうして音の問題で話題になるのか?
それは,比較の相手にもよりますが,ひとつには,他のDAWソフトが実装しているマスターセクションがないこと,エフェクトの品位がすこし悪いことなどが考えられます.Reasonを使い込めば使い込むほど,エフェクトの種類と設定の貧弱さに泣かされます.多くの人は現状のReasonだけで十分な音圧を持ったmixの楽曲をつくることは不可能だと感じています.プロペラヘッドはこの件に関しては,あまり多くを語りませんけど.ReWireを使って,他のホストアプリ+VST等のエフェクト群を駆使すれば,音質で問題はまず起きないでしょう.そういう意味では,Reasonは仮想音楽スタジオだけど仮想マスタリングスタジオではなくて,そこは別のソフトにReWireで持っていきましょうと言っているのかなとも思えます.
プロペラヘッドの会議室でのフレッド(4年前からFreeだけど大回転プロペラマークをもっている,元プロペラのBBSマスター?)の言い分は妙に説得力がありました.

「Reasonの音が,KorgのTritonの音と比べて悪いと思う人は,Tritonのマルチレイヤー+各種エフェクトを駆使してプロにより作成されたパッチの音と生のReasonの音を比べるのではなく,Tritonのエフェクトを全部外して原音そのままの音を鳴らしてReasonの音と比較してみよう.それでもReasonの音はチープですか?」

みたいなことを言ってます.でも,Reasonのエフェクトをたくさんつかって比較しなさいとは言ってませんけど(笑).次のバージョンアップは是非,高品位なエフェクトを追加してほしいところです.
Reasonは,確かに簡単に音が鳴って,簡単に曲がつくれますが,音をエディットし始めるとそれなりに時間もかかります.そのパッチングの自由度の高さと新鋭のNN-XTやMalstromの組み合わせによりそのパワーを最大限に引き出すのは,そう簡単ではありません.
Reasonの良さは,ネット上あちこちでReasonのrnsやrpsファイルをDLできることだと思います.様々なミュージシャンの曲をその構成(シーケンシング)だけでなく,パッチワークも含めて完全に見ることができる点は,曲作りの上で非常に参考になります.気に入った曲などがあれば,必ずラックの使い方やシンセ等のセッティングをチェックしてみましょう.絶対に新しい発見があります.

ご意見などは大歓迎です.BBSにてお願いします.

Ciao, Ura

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